小学館の幼年児向け雑誌『幼稚園』。過去にはコンビニATM、セルフレジ、自動改札機などを付録として世に出し、少年少女だけでなく、現在キャッシュレス業界で汗を流す人たちのハートにも小さな火を灯してきた。その2025年2・3月号(2024年12月26日発売)では、ついにコード決済が付録に登場した。正真正銘、本物の決済音が鳴る「PayPayのスマホ」である。
Author 多田羅 政和 / Masakazu Tatara
リクルートは1月16日から、賃金のデジタル払いへの対応を開始した。一般企業への賃金のデジタル払いの提供は、PayPayに続く2社目。入金先は、3メガバンクやゆうちょ銀行など提携金融機関への入出金が何度でも無料で利用できる「COIN+(コインプラス)」。最大の特長は、給与の「即払い」に限定した使い方だ。
年の瀬に2024年の電子決済業界を振り返ってみると、「タッチ決済乗車(券)」の話題が多かったとの印象を持つ読者が多いかもしれない。電子決済マガジンの記者もまた、あちこちで公共交通機関の新しい乗車方法にトライする機会が増えた。
デジタル(電子)クーポンの配信をコア事業として、システム開発から販売促進の企画提案、クリエイティブ制作などを手がけるエムディーピー(MDP)は12月20日、東京都内で記者発表会を開催し、新たに訪日外国人観光客(インバウンド)向けのデジタルクーポンサービスを提供開始すると発表した。インバウンドの増加に伴って巷で急増中の「IDが付かないレシート」の課題を、デジタルクーポンで解決する狙いだ。
初の10万ドル突破で話題を集めるビットコインをはじめとして、暗号資産の動向が再び世間の耳目を集めている。「メルカリアプリ」と一体化した暗号資産取引サービスを提供するメルカリでは、このタイミングで新たに「暗号資産を保有するだけで毎月、自動でポイントが貰える」サービスの提供を開始した。自社ユーザーを暗号資産取引の利用に向けて活発に誘うメルカリの狙いはどこにあるのだろうか。
FIDOアライアンスは12月12日、東京都内で記者説明会を開催し、FIDOで注目されている「パスキー」の導入動向や、課題解決に向けた今後の取り組みについて説明した(写真1)。この1年間で本当に多くのWebサービスの画面で「パスキー」の文字を目にする機会が増えた印象だが、来年以降も、現在はプラットフォームごとに閉じている「同期パスキー」について、事業者をまたいで移動やコピーが可能になる「クレデンシャル交換仕様」を開発するなど、導入ハードルの低減と、利便性向上に向けた取り組みは続きそうだ。
東武鉄道と日立製作所は、今年4月から一部で提供開始した生体認証サービス「SAKULaLa(サクララ)」を9月以降、本格展開へと移行した。コンビニエンスストアや家電量販店、ショッピングモール、東京スカイツリー、鉄道などさまざまな業種で本格展開し、全国の100カ所以上に順次導入していく予定だが、東武グループの食品スーパーマーケットである東武ストアの一部店舗でも、9月以降に対応店舗が広がり始めた。あらかじめ指の静脈情報を登録しておくことで、決済やポイント獲得などを手ぶらで利用できるというSAKULaLaサービスを記者がさっそく体験してみた。
家計簿アプリ「B/43(ビーヨンサン)」を提供するスマートバンクは11月12日、29.3億円の資金調達を実施したと発表した。あわせて発行されるVisaプリペイドカードの中でも、夫婦や同棲カップルなどが利用できる「ペアカード」の人気が成長を牽引し、同社の事業モデルを支えている。家計に眠る5兆円の浪費を掘り起こして資産化することが同社のミッションだという。
京王電鉄は11月6日から、京王電鉄の全駅で「タッチ決済対応のカード(クレジット、デビット、プリペイド)や、同カードが設定されたスマートフォン等」および「QRコード」を活用した乗車サービスに対応した。今年3月25日から企画乗車券の「高尾山きっぷ」について、一部の駅で上記媒体による実証実験を開始していたが、11月6日からはタッチ決済の都度乗車に全駅で対応した。これを記念して、関東在住の記者がさっそくその「乗り心地」を体験してきたので、写真でレポートする。
三井住友カードと関西エリアの鉄道事業者5社は10月28日、大阪市内で「関西鉄道利用エリア拡大発表会」を開催し、翌29日から4事業者が新たに対応を開始する「タッチ決済乗車」サービスの概要と今後の展望について紹介した。同日時点でのStera Transitの採用事業者数は31都道府県の133事業に上り、今後も日本全国で拡大する見込みだ。
Visaデビットカードの躍進が止まらない。特に成功していると言われる事例では、地域に根ざした金融機関が、一過性でなく、銀行本体の事業として真正面から取り組む姿勢が明確になっていることが条件であるようにも映る。本邦41番目のVisaデビット発行銀行となった静岡銀行では、キャッシュレスで地域の経済をどう変えていこうとしているのだろうか。
KDDIは有料会員サービスの「auスマートパス」を10月2日から「Pontaパス」としてリニューアルし、新たに提供を開始した。同日にはサービス提供に関わるKDDI、ローソン、ロイヤルティマーケティング、三菱商事の4社の担当者が集い、東京・渋谷で「Pontaパス」リニューアル説明会が開催された。
セブン-イレブン・ジャパンと三井住友カード(以下、「SMCC」)、CCCMKホールディングス(CCCMKHD)の3社は10月1日、CCCMKHDとSMCCが共同事業として提供する「Vポイント」の新サービスを発表した。今月の10月15日朝10時から、全国のセブン-イレブンでSMCCが提供するスマホのタッチ決済を使って支払うと、最大で10%相当のVポイントが付与される。合わせて、セブン-イレブンアプリの提示で付与される「セブンマイル」がVポイントに交換できるようになる。いずれも期間を限定したキャンペーンではなく、継続サービスとして提供するという。
GMOペイメントゲートウェイは9月24日、同社がEC事業者向けに提供しているオンライン総合決済「PGマルチペイメントサービス」のオプション機能として、カード決済『前』の本人確認に多要素認証を適用できる「Verifyサービス」の提供を開始すると発表した。第1弾として利用者の電話番号にワンタイムパスワードを通知する「SMS認証」を提供する。
「Web3」に象徴される新しいインターネット概念を支える重要な技術が「分散型ID」だ。ところが日頃、眼の前の仕事に追われていると、いくら説明されてもこれがよくわからない。とりわけ、正しい電子決済取引に必須となる「利用者の本人認証」と、この分散型IDとは関係する話なのか、それとも無関係なのか。そんなモヤモヤがいつも頭から離れなかった筆者に、この8月から「分散型ID管理プラットフォーム」を提供開始した大日本印刷(DNP)の担当者が解説してくれた。