【ありがとう】LINE Payの日本国内向けサービスが終了、キャッシュレスの新天地を盛り上げてくれた10年を振り返る

今日、2025年4月23日の日本時間23:59をもって「LINE Pay(ラインペイ)」の日本国内でのサービスが終了する。過去10年に渡って本誌、電子決済マガジンの誌面をも彩ってくれたLINE Payに敬意を表し、忘れられないトピックを振り返ってみたい。

 日本国内における「LINE Pay(ラインペイ)」のサービス終了まであと数時間を切った※。いま「日本国内の」と書いたのは、台湾とタイで提供されているLINE Payは本日以降も引き続き、現地でサービスが提供されるから。しかし、日本のLINE Payアプリを台湾、タイに持参したとしても明日からはもう利用できない。LINE Payは、あくまで現地の方向けの決済サービスとして提供されることになる。

※公式では「2025年4月30日(水)をもって日本国内におけるモバイル送金(送付)・決済サービス『LINE Pay』を終了いたします。」とあるが、メインの機能であったコード支払い、オンライン支払い、LINE Pay 請求書支払いのサービスが本日4月23日(水)をもって終了となり、以降は利用履歴の閲覧のみの提供となるため、電子決済マガジンとしては本日が実質的なサービス終了日に当たるととらえている。詳細は以下の特設ページをご参照されたい。

LINE Payサービス終了に関するお知らせ(2025年)
https://line-pay-info.landpress.line.me/payment-info/

 思い返せば、スマホを利用する「モバイル送金・決済サービス」としてLINE Payが初めて公開されたのは2014年12月。その後、日本でLINE Payのコード決済が始まったのは2017年1月のことだった。画面に表示されたバーコードを店員さんのハンディスキャナに読み込んでもらうだけで本当に決済なんてできるのだろうか!? と誰もが半信半疑で臨んだ時代だった。わずか8年前のことだが、ここから日本のコード決済の歴史が始まったといっても過言ではないだろう。

【ニューストピックス~1月24日】ライン ローソンでコード決済/ほか(2017年)
https://epayments.jp/archives/3844

 ここから徐々に、お客の側が自分だけに発行されたバーコードを表示して決済を完了するCPM(消費者提示方式)が浸透し始める。それと並行する形で、お店に貼り出されたQRコードのステッカーや紙をスマホで読み取ることで決済を完了させるMPM(加盟店提示方式)が登場し、これまた半信半疑の表情で「新しい決済の形」を体感する消費者が増えていく。
 LINE Payも当然、MPMのトレンドにも乗っかるように対応したが、今も強く記憶に残っているのが、お店側に掲示するQRコードをステッカーや紙の固定表示ではなく、動的に生成することで安全性をうたう専用端末だった。当時、これを設置したお店にたまたま遭遇したときの興奮は今もはっきりと覚えている。

【ニューストピックス〜10月18日】月1,500円のラインP端末/ほか(2018年)
https://epayments.jp/archives/8827

 もちろん、LINEとつながったサービスであることが特徴的であり強みでもあったのだが、LINE Payで決済すると自動的に決済したそのお店と「友だち」になる仕組みにも唸らされた。決済だけでなく、マーケティング活用にも隙のない印象を与えていた。

【ニューストピックス〜3月2日】ラインペイ 決済で店と友達に/ほか(2018年)
https://epayments.jp/archives/7226

 これは完全に外れてしまったので、今さら紹介するのも恥ずかしいのだが、折に触れて同社からこれでもかこれでもかと繰り出される未来的な発表に、このような予測記事まで書いてしまった。いま読んでも未来感はあるが、なんだか当時の懐かしさまで伝わってくる長文記事となっているので、読み返してみるなら今かも? との思いで掘り起こしてみる。

LINE Payが目指すのはApple Payのポジション、そしてリブラの世界観か?(2019年)
https://epayments.jp/archives/10883

 LINE Payを取り巻く数々の思い出に耽っていたら、もうこんな時間になってしまった。最後に、筆者のiPhoneに残る画面を披露して、サービス終了のときを迎えることとしたい。
 そして、本当の最後の最後に、電子決済マガジンからも「LINE Pay、夢をありがとう」と申し上げます。本当にお疲れさまでした。

LINE Payを起動するショートカットを大量に並べて1画面を占有する裏ワザが流行りました。え、流行ってない!?

 

 

 

About Author

多田羅 政和 / Masakazu Tatara

電子決済マガジン編集長。新しい電子決済サービスが登場すると自分で試してみたくなるタイプ。日々の支払いではできるだけ現金を使わないように心掛けています。

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