【レポート】MasterCardが全カード会員対象に「プライスレス・ジャパン」と銘打ち、体験型パッケージプランの提供を開始

 

 

MasterCardは、「MasterCard」マークの付いた全カードの保有者を対象に、クラフトビールの製造工程見学や、手筒花火を間近で観覧するなどの“体験型”を中心としたさまざまなパッケージプランを提供する「Priceless Japan(プライスレス・ジャパン)」プログラムを7月9日から提供開始した。

 

■『泊まる』『買う』『遊ぶ』『食べる』に特化した特典

プライスレス・ジャパンのサブキャッチフレーズは「ワクワクを、探しに」。そのパッケージ内容を絞り込むにあたって、MasterCard日本地区社長のロバート・ルートン氏(写真①)は「カード会員からの人気が高い『泊まる』、『買う』、『遊ぶ』、『食べる』に特化した」と説明する。

MasterCard日本地区社長のロバート・ルートン氏

MasterCard日本地区社長のロバート・ルートン氏

今回同社が新たに始めるプライスレス・ジャパンは、すでに世界中でスタートしている新しい「Priceless」キャンペーンの一環として提供される。その内訳として4つのプログラム(「Priceless CITIES」、「Priceless causes 、「Priceless Specials」、「Priceless Surprise!」)が存在し、世界各国で先行して提供が始まっているが、今回、日本でスタートするのはこのうちの「Priceless CITIES(プライスレス・シティ)」となる。
プライスレス・シティは2015年末までに75カ国47都市に展開する計画で、「お金で買えない体験」をMasterCardカード会員に提供する(写真②)。SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)や、スマートフォン、タブレットなどにも対応する。

7月8日に発表されたパッケージプラン(例)は以下の通り。

●泊まる
アンダーズ東京(昨年6月に虎ノ門ヒルズにオープンしたホテル)の宿泊およびディナー招待のほか、スパ体験など。
●買う
本間ゴルフ酒田工場(山形県酒田市)で、ドライバーをフィッティングしてもらえるなど。
●遊ぶ
三ヶ日(みっかび)花火大会(静岡県浜松市)の観覧ツアーで、手筒花火を至近距離に設置された特設施設から体感できるなど。(浜名湖ホテルに宿泊)
●食べる
蔵元である木内酒造(茨城県那珂市)の体験ツアーで、希望の内容によりクラフトビールをブレンドしてもらえるなど。

MasterCardマーケティング担当シニアビジネスリーダー兼副社長の唐戸直哉氏 

プライスレス・ジャパンで提供するパッケージ内容を紹介したMasterCardマーケティング担当シニアビジネスリーダー兼副社長の唐戸直哉氏

■使命は決済の提供ではなく、『プライスレスな体験を想像し、実現する』ことへ

「TVコマーシャルではカード決済そのものに触れず、人々の大切な体験に訴えかけ、大ヒットとなった。それを受けて17年もの間、このキャンペーンを継続してきたが、消費者も、消費者の利用するメディアも変わった現在、これをどうしていくのか」
同社でマーケティングを担当するラジャ・ラジャマナー氏(写真③)は、1997年にMasterCardが初めて『Priceless』キャンペーンを発表した当時を振り返りながら、同社の新しいキャンペーンを紹介した。

MasterCardマーケティング担当のラジャ・ラジャマナー氏

MasterCardチーフ・マーケティング・オフィサー(CMO)のラジャ・ラジャマナー氏

「われわれはプログラムに修正を加え、『プライスレスな瞬間を大切にする』、から『プライスレスな体験を想像し、実現する』に舵を切った。従来、決済機能を提供する役割だった当社のポジショニングは、今やまったく変わった。人々にプライスレスな体験をもたらす役割がある」(ラジャマナー氏)
実際、現時点では日本未提供となる「Priceless Surprise!(プライスレス・サプライズ)」では、カード会員に対して突然のサプライズを提供するコンセプトで、例えば有名ミュージシャンや俳優などとの夢の対面を演出するなど、30カ国以上で20万件以上に上るサプライズの提供実績があるという(ミュージシャンのジャスティン・ティンバーレイク、俳優のヒュー・ジャックマン、ゴルフのトム・ワトソンなどがMasterCardの「ブランドアンバサダー」として協力)。
「今回の発表はソフトローンチであり、(プライスレス・ジャパンの)最初の1歩にしか過ぎない。これから今年の年末にかけてより大きなコンシューマローンチが控えている」(前述のルートン氏)というから、これはさらに期待ができそうだ。

 
■関連リンク
プライスレス・ジャパン
http://www.priceless.com/japan/

[2015-07-08]

About Author

多田羅 政和 / Masakazu Tatara

電子決済マガジン編集長。新しい電子決済サービスが登場すると自分で試してみたくなるタイプ。日々の支払いではできるだけ現金を使わないように心掛けています。

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