メルカリアプリ上からビットコインでの直接決済が可能に

メルコインは2月15日、メルカリでの商品購入時(メルカリShopsを除く)に保有するビットコインを決済に使用できる機能の提供を開始した。ビットコインに関してはこれまでもメルカリアプリ経由で売買は可能だったが、購入商品の決済に直接用いることはできなかった。アプリのわかりやすさと使い勝手のよさに注力することで、いまや日本のビットコイン利用者拡大を牽引する同社は、決済への応用で次の一手に踏み出す。

メルカリの商品購入時に「ビットコイン決済」が選択可能に

 メルカリの子会社で、暗号資産やブロックチェーンに関するサービスの企画・開発を行うメルコインは2月15日、同日からメルカリでの商品購入時(メルカリShopsを除く)に保有するビットコインを決済に使用できる機能を提供開始したと発表した。メルカリアプリを使用中のユーザーが段階的に利用できるようになる。18歳未満と75歳以上のユーザーは使用できない。利用に際しては審査があり、メルカリアプリを使って本人確認(eKYC)を済ませる必要がある。
 同社では2023年3月からメルカリの「ビットコイン取引サービス」を提供しているが、アプリを通じて、メルカリの売上金やメルペイのチャージ残高を用いてビットコインの売買は出来るものの、メルカリで購入した商品の支払いに保有するビットコインを直接用いることはできなかった。今後はメルカリの商品購入画面メニューから、ビットコインを選んで決済に充てられるようになる(画面1、2)

画面1

画面2

 ビットコイン決済を選ぶと、いったんビットコインが日本円に交換され、そこから支払いに充てられるため、売り手側には日本円で販売した場合と同じ形式で入金される。買い手から売り手に対して、ビットコインのままで価値が移動するわけではない。

将来的には暗号資産ラインアップの拡大も視野

 メルカリのビットコイン取引サービスの利用口座数は、開始から7カ月後の昨年10月時点で100万を突破。同時期の暗号資産業界全体(日本暗号資産取引業協会の調査データによる)における新規口座数150万のうち、実にその7割がメルカリのビットコイン取引に由来する計算だ。
「例えば(暗号資産でわかりにくい)1円以下の表示をなるべく削る工夫を施すなどして、わかりやすいように絞り込んでいる。これが評価を得て、売上金をビットコインに変えたり、ビットコインを売ってメルカリで買い物したりといった新しい行動が出てきている」(メルコイン・代表取締役CEOの中村 奎太氏/写真

写真 メルコイン 代表取締役CEOの中村 奎太氏

 とはいえ特に日本国内では、ビットコインをはじめとした暗号資産は主として投資や投機のためのものととらえられる傾向が強く、それらを市中での決済に利用したいというニーズや傾向はほとんど顕在化してこなかった。今回スタートするビットコインの決済利用も、当初はメルカリ内での買い物に限定されており、中村氏もまずはメルカリ内で使用したいとのユーザー要望(画面3)に応えたものであり、この仮説を検証していきたいという。

画面3

 ただし、海外では暗号資産決済を飲食やファッション、ITサービスなど日常的なお店の決済に利用する場面が増えていることから、メルコインとしても「チャレンジはしていきたい」とする。
 中村氏は「まずはメルカリのマーケットプレイスでの決済をリリースするが、これはミニマムな形。ビットコインが買い物に使えるものだと認識してもらえれば、コンビニやお店でも使ってみたいとの声が出てくると思う。それでも(暗号資産決済で)取り扱う商品がまだフィジカルなものがメインなうちは日本国内に閉じることになるが、対象となる商品がデジタルになっていけばマーケットはグローバルに広がっていく。そこをつなぎわせていくことも検討していくことになるだろう」と展望を語った。
 将来的には、他の暗号資産であるアルトコインを取り扱うことや、売買の都度ビットコインを日本円に交換せずに取引に使用できるようにすることなども、次のステップとして検討していくという(画面4)

画面4

 

 

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多田羅 政和 / Masakazu Tatara

電子決済マガジン編集長。新しい電子決済サービスが登場すると自分で試してみたくなるタイプ。日々の支払いではできるだけ現金を使わないように心掛けています。

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