「Web3」に象徴される新しいインターネット概念を支える重要な技術が「分散型ID」だ。ところが日頃、眼の前の仕事に追われていると、いくら説明されてもこれがよくわからない。とりわけ、正しい電子決済取引に必須となる「利用者の本人認証」と、この分散型IDとは関係する話なのか、それとも無関係なのか。そんなモヤモヤがいつも頭から離れなかった筆者に、この8月から「分散型ID管理プラットフォーム」を提供開始した大日本印刷(DNP)の担当者が解説してくれた。
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大日本印刷(DNP)は8月28日、個人のアイデンティティ情報を管理する「分散型ID」に基づいたデジタル証明書(VC: Verifiable Credentials)の発行・検証を行う「DNP分散型ID管理プラットフォーム」の提供を同日より開始すると発表した。このプラットフォームにより、生活者は自身のアイデンティティ情報を主体的に管理し、企業や団体に対してプライバシーを保護しながら情報を開示できるようになる。企業や団体にとっても、偽造情報のリスクを軽減し、安全なデータ流通を実現できる。DNPは、金融、通信、旅行、自動車、教育などの業界をターゲットにこのプラットフォームを展開し、2029年度までに累計35億円の売上を目指す。
ネットスターズは7月12日、ステーブルコインを含む暗号資産を加盟店での決済手段として採用するために、従来の集約型決済ゲートウェイをWeb3.0ウォレットシステムに対応させる技術的ガイドラインをリリースしたと発表した。同ガイドラインは、既存の集約型決済ゲートウェイの安全性と利便性を保ちながら、Web3.0の暗号資産での支払いに対応することを目指すもの。ネットスターズは、Tusima Netstars BlockChain(つしま ネットスターズ ブロックチェーン)技術を活用し、暗号技術と非中央集権的な台帳を利用することで、集約型マルチ決済ゲートウェイシステム「StarPay」を安全性、プライバシー、効率性、拡張性の高い決済システムへと拡張したという。なお、ガイドラインには、Web3.0ウォレットシステムと集約型決済ゲートウェイシステムのインターフェースや連携時のビジネスプロセス、技術的ポイントが詳述されている。
NTTグループおよび公益社団法人 日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)は9月4日、「TH!NK THE BALL PROJECT」の一環として、スマホアプリ「TH!NK THE BALL by fowald」を使用し、気候アクショントライアルを開始すると発表した。同プロジェクトは、NTTグループのテクノロジーとJリーグの協力により、ファンやサポーターが気候アクションに参加しやすい仕組みを構築し、環境への日常の行動変容を促進し、地域コミュニティの活性化を図ることを目指す。トライアルでは、気候アクションへの参加と継続をサポートするシステムを評価し、今後のサービス開始に向けて検討する。
KDDIは3月7日、現実と仮想を軽やかに行き来する新しい世代に寄り添い、誰もがクリエイターになりうる世界に向けたメタバース・Web3サービス「αU(アルファユー)」を始動すると発表した。「αU」は、メタバース、ライブ配信、バーチャルショッピングなどWeb3時代のサービスを提供。リアルとバーチャルの境界がなくなり、音楽ライブやアート鑑賞、友人との会話やショッピングなどの日常体験を、いつどこにいても楽しむことができる。さらに国内外のパートナーと連携し、日本のクリエイターやコンテンツのグローバル展開をサポートする。
LiquidおよびSBペイメントサービス(以下「SBPS」)は1月20日、業務提携し、同日から、Web3サービスを提供する事業者に対して、Liquidのオンライン本人確認サービス「LIQUID eKYC」の提供から、SBPSによるオンライン決済サービスの加盟店審査と決済サービスの提供までをシームレスに行うことができるようになったと発表した。Web3サービスの事業者が提供するサービスでは、ユーザー同士が直接取引を行うことが多く、ユーザーの本人確認手続きが不十分である場合、不正購入のリスクが高いことからクレジットカード決済を導入できないことが課題となっていた。今回の業務提携により、Web3サービスを提供する事業者が、クレジットカードによるオンライン決済サービスを円滑に導入できるようになった。
電通は9月8日 、電通イノベーションイニシアティブ、電通国際情報サービス、セプテーニ・インキュベートと共同で、NFT(Non-Fungible Token:非代替性トークン)を含むWeb3領域における顧客企業のビジネスを統合的に支援するグループ横断組織「web3 club(ウェブスリークラブ)」を発足したと発表した。今回発足した「web3 club」には、ビジネスデザイナー、クリエイター、コンテンツディレクター、データサイエンティスト、エンジニア、法務や税務などのプロフェッショナルが結集した。顧客企業が持つアニメやスポーツなどのIP(知的財産)活用および新規IP開発などによるNFT施策、またWeb3関連ソリューションを開発・提供することで事業成長を支援すると共に、Web3がつくる新しい経済の形成にも貢献していくという。