三井住友カードと日本総合研究所、ゼンリンマーケティングソリューションズの3社は8月1日、三井住友カードが保有するキャッシュレスデータをもとに、日本全国の現金やコード決済を含む全ての決済手段を網羅した消費データを算出する「拡大推計手法」を共同開発したと発表した。
現金、コード決済などを含めた消費の可視化が可能に
同推計手法によって生成された消費データ提供の第1弾として、三井住友カード(以下、「SMCC」という)が提供する消費分析地図サービス「Custella Maps(カステラ・マップス)」上で、有償追加による「市場推計オプション」の提供を8月1日から開始した。Custella Mapsの基本料金(アカウント数に応じた2プランから選択)に加えて、月額5万5,000円(税込)の追加料金を支払うことで利用が可能になる。
SMCCのデータ分析支援サービス「Custella(カステラ)」シリーズにおいて、従来はSMCCが保有する1,000万人超のキャッシュレスデータを分析に使用してきたが、クレジットカードに限らず、現金払いや、近年利用が増加しているコード決済における消費動向、あるいはキャッシュレス決済の利用率が低いシニア層による購買傾向も含めて分析したいとの要望がCustellaの導入企業から数多く寄せられていたことを受け、「拡大推計手法」の開発着手に至ったという(画面1)。
具体的には、一般社団法人キャッシュレス推進協議会が発表するキャッシュレス比率(世代別、エリア別、決済手段別などでの利用状況)や、国勢調査などの公的統計データに加えて、前掲した協業3社の知見・ノウハウを持ち寄ったエリア別・業種別の補正値を掛け合わせることで、消費データを算出する。
Custella Mapsの「市場推計オプション」を利用すると、クレジットカードだけでなく、現金やコード決済を含めた消費の可視化が可能になるため(画面2)、より消費の実態に即した商圏を可視化・検証できるようになるという。また、任意で選択したエリア内において、業種別に「推計消費額」「推計購買回数」「推計客数」といった数値が算出可能になる(画面3)。ユーザー企業は、新規出店の際の売上予測や既存店のエリアシェア分析における数値的根拠として活用できる。
「Custella」シリーズでは、前述の「Maps(マップス)」以外に、主力である「Analytics(アナリティクス)」、「Promotion(プロモーション)」をはじめとした7つのメニューが提供されている。SMCCでは今後も、これらのサービスに向けて「拡大推計手法」の実装を順次、拡大していく予定だ。