IoTシステムにおけるセンサー、もしくは、センシングを担うモジュールに焦点を当てて活動する一般社団法人、スーパーセンシングフォーラムの第1回会員総会が7月26日、東京都内で開催され、あわせて記者説明会が行われた。KDDI、日経BP社、野村総合研究所、東日本旅客鉄道(JR東日本)、日立製作所など22社の参加(写真①)に加え、2016年中に50社の加入を見込んでいる。
記者発表に先立ち、同フォーラムの活動は日本経済新聞7月26日付け朝刊に掲載されている。
●センサー活用、22社連携:日本経済新聞 2016年7月26日朝刊
http://www.nikkei.com/article/DGKKZO05249450V20C16A7TJC000/
一般社団法人スーパーセンシングフォーラム(代表理事:中川 聰・東京大学大学院工学系研究科機械工学専攻特任教授)は今年3月に設立、IoTシステムにおけるセンサー、あるいは、センシングを担うモジュールにフォーカスし、(1)プロトタイプ製品やサービスの開発、(2)アーキテクチュアルジャパンを目指したものづくりの発信、(3)産業の次世代を担う人材育成、の3つを推進していく。
同フォーラムでは、IoTならぬ、「SoT(Sensornet of Things)」(写真②)の概念を提唱。プロダクトデザイナー、デザイン・エンジニアの肩書きを持つ代表理事の中川 聰氏(写真③)は、「センシング」という言葉について、「人間や機械にとっての感覚的な計測のこと」と説明する。
そこで重要な機能を担うセンサーのバリエーションは「アクティブ型/パッシブ型」、「コンタクト型&ノンコンタクト型」、さらにはスマートフォンのようなセンサー自体が移動する「Mobile型」などに分類できるが、その奥行きや間口はさらに広がっているという。「話題の『ポケモンGO』などはまさにMobile型の典型例だ。センシングによって情報が入ってくることで、人間の行動が変わる。ここが重要だ」(中川氏)
その上に、フォーラムの掲げる「スーパーセンシング」の概念がある。これについて中川氏は「(人間が知覚や認識できていないような)未知の感覚領域への産業進出」と説明する。具体的な製品イメージとしては、「今後リサーチチームやアソシエイトフェローを設けて、世界の(社会や市場の)情勢からニーズを調査し、プロトタイプ製品やサービスを作っていきたい。それに従来からセンサーをやってきた日本企業が持っている技術も掛け合わせ、どうセンシングするかのアルゴリズムについてもフォーラムの中で高めていきたい」(中川氏)という。(写真④)
中川氏は「最近、日本から生まれるものに夢がないと感じる。(私の関わるものは)使い手に夢を与えるデザインや製品でありたいと思うし、また、そういう人材 も育成していきたい。そういうステージャー(ステージ設置者)になっていきたい」と話している。
[2016-07-26]