キャッシュレス推進協議会は今月4月末から5月初旬の10連休に合わせ、4月26日(金)から5月6日(月)までの11日間を「キャッシュレス・ウィーク」と銘打ち、キャッシュレス決済による支払いで割引やポイント還元などの特典が受けられる施策を賛同企業が実施する。これに先立って、3月最終週のプレミアムフライデーに当たった3月29日(金)、東京・霞ヶ関の経済産業省本館・地下講堂にて、一連の「キャッシュレスキャンペーン」のキックオフイベントを開催した。
鉄腕アトムが2020年に向けて「ゆくぞキャッシュレス!」
冒頭に挨拶したキャッシュレス推進協議会の鵜浦博夫会長(写真1)は、進む少子高齢化、人手不足といった日本社会の抱える課題に対し、業務の効率化とインバウンド需要の取り込みを目的としてキャッシュレスの推進に取り組んできた経緯を説明。「特に地方は深刻な状況にあるが、『キャッシュレス』に触れていただく機会を創出したい」と述べ、今回の「キャッシュレスキャンペーン」を企画、実施するに至った背景を紹介した。
さらに協議会では今回、鵜浦会長が「外国の方にもよく知られている」と評する鉄腕アトムをイメージキャラクターに据え、キャッシュレス推進のためのポスターを作成(写真2)、来年、2020年までに日本全国のキャッシュレス対応を加速させたい考えだ。
その協議会の今年度の活動成果としては、「コード決済の仕様統一(名称:JPQR)」、「APIガイドライン」、「キャッシュレス・ロードマップ」が紹介された(写真3)。このうち公開済みの2つの成果に加え、「キャッシュレス・ロードマップ」を今年4月の前半めどに公表する予定だという。
キャッシュレスな支払いでさらにお得になるキャンペーンが続々
キャッシュレス・ウィークの賛同企業には、決済サービス事業者や、システム、端末などを提供する事業者、大手流通企業など42社が名乗りを上げた(写真5、6)。各社のキャンペーン詳細は4月中旬にあらためて公開される予定だ。イベント当日にはこのうち30社が地下講堂の会場にブースを出展し、訪れた報道陣や関係者に向けて自社のサービスをアピールした(写真7)。
また、賛同企業を代表する10社の担当者が順番にステージへ登壇して、①(3月29日)プレミアム“キャッシュレス”フライデー、②(4月26日〜5月6日)キャッシュレス・ウィークのそれぞれに実施するキャンペーンの内容を披露した(写真8)。
各社の登壇者とキャンペーンの内容は以下の通り(登壇順)。
「『キャッシュレス』も『プレミアムフライデー』も、どちらも1回やると楽しくて続けたくなる」
イベント会場に駆け付けた世耕弘成 経済産業大臣(写真9、10)は、同日発表になった「プレミアム“キャッシュレス”フライデー」の言葉を引き合いに、「『プレミアムフライデーとキャッシュレスが、なんで一緒になるんだ、どこに関係があるんだ』という声も聞こえてきそうだが、2つの取り組みには3つの点で共通点があると思っている。1つ目は『消費者の生活体験を変える』こと、2つ目に『消費の還元を通じて事業者の売上拡大につながっていく』こと、そして3つ目が最も重要だが『どちらも食わず嫌いになりがち』なことだ」と挨拶の口火を切ると、「どちらにも先入観がある。働き方なんて変えられない、早く帰れるわけなんてない。キャッシュレスは難しくて複雑で危険だ。しかし、どちらも1回やってしまうと、非常に楽しくて、続けたくなるものだ」と力説した。
会場が経済産業省の本館だったこともあり、世耕大臣は「この経産省の中にもお店がある。経産省のキャッシュレス化も進めていきたい」と意欲を見せた。また、同日(3月29日)には15時〜18時の3時間に限定して、さらにお得になる施策を提供しているサービスがあることにも触れ(関連記事「プレミアム“キャッシュレス”フライデー】本日(3月29日)午後3時から6時までの3時間はさらにお得に」)、「このように時間を限定してキャンペーンを打てることも、キャッシュレスの利点ではないか」とアピールした。