フランスのタレス(Thales)は、中央ヨーロッパ時間2019年4月2日の朝8時30分(日本時間15時30分)よりYouTubeライブ配信を通じてプレスカンファレンスを開催し、同日付けで同社がジェムアルト(Gemalto)の買収を完了したことを明らかにした。買収金額は48億ユーロ(約6,000億円 ※1ユーロ=127円換算)。
この買収によりタレスの売上高は190億ユーロ、自己資金による研究開発(R&D)費は年間10億ユーロとなり、68カ国での従業員数は8万人に達する。
ジェムアルトはタレスの7番目の事業部門として「デジタルアイデンティティ & セキュリティ」(DIS)の名称になる。タレスは「ジェムアルトの人材と技術を得て、無人航空交通管理、空港、金融取引、サイバーセキュリティなど、社会が直面する大きな課題に対応するセキュアなソリューションの開発を促進させる」としている。
会見にはタレス 会長兼CEOのPatrice Caine(パトリス・ケイン)氏、タレス 戦略・研究・テクノロジー担当執行役員・ヴァイス・プレジデントのPhilippe Keryer(フィリップ・ケリャー)氏、そしてジェムアルト最高経営責任者のPhilippe Vallee(フィリップ・ヴァリー)氏が出席した(写真)。
「われわれは、競争力と能力を備えたデジタルアイデンティティとセキュリティ分野のリーダーになっていきたい」(タレス 会長兼CEOのパトリス・ケイン氏)
「(ジェムアルトを含み)われわれが保有する2万500件の特許のうち、実に400件以上が2018年に登録されたものだ」と研究開発能力の高さをアピール(タレス 戦略・研究・テクノロジー担当執行役員・ヴァイス・プレジデントのフィリップ・ケリャー氏)
「カテゴリごとに競合する企業は存在するが、われわれはSIMカードやバンキング向けといったレガシーなものから、リモート・デジタルアイデンティフィケーション、IoTといったニュープレーヤーもいるようなさまざまな領域で、グローバルに事業を展開していく」(ジェムアルト最高経営責任者のフィリップ・ヴァリー氏)