NFC Forumの日本支部に当たるジャパン・タスクフォース(JTF)は、12月10日(木)に初の試みとなる「NFC技術ワークショップ2015」を東京・秋葉原のDMM.make AKIBAイベントスペースにて開催した。NFC技術ワークショップは、NFC Forum JTFがマーケティング担当者および商品企画者に対して毎年3回開催している「ジャパンミーティング」とは並行開催となる、エンジニアを対象にしたイベント。ジャパンミーティングではカバーし切れなかったエンジニアに対してのNFC Forumの規格や実装方法、および、認定プログラムなどが紹介された。
NFC端末の出荷台数が10億を突破
昨今のNFCに関する明るいニュースは、NFC搭載端末の出荷台数が10億台を突破したこと、そして、2015年8月にAppleがNFC Forumに加盟したことである。これによりBlackBerry、Google、Microsoftの主要なモバイルOSを提供するプレーヤーの足並みが揃い、NFCをサポートする体制が業界として整ったことになる。
しかし、これだけ普及してくると、開発者側には互換性やトラブル時への対処方法に関して不安が生まれ、課題も健在化し始めた。NFC Forum JTFでは多くの開発者からこれらの課題に対して質問が多く寄せられている背景から同ワークショップを開催するに至ったという。
NFCの基礎や最新動向、NFCプラグフェストのデモから認定プログラムまでを解説
冒頭に日本電気(NEC) 開発本部・エキスパートの小熊 賢治氏が登壇し、「NFCとは:基礎から最新動向まで」のタイトルで、NFCの動作原理から無線規格、NFCアナログ規格、技術アーキテクチャ、デジタル規格の概要、そして最新動向としてNFCに関連するHCEの解説やユースケースについて解説した。
続いてソニー・プロフェッショナル・ソリューション事業本部 FeliCa事業部 システム開発部1課の金本 俊範氏とFIME Japan の門山 隆英氏が、「NFC相互接続試験及び認定プログラムの解説」を解説した。認定プログラムの詳細や、参加各社が持ち寄ったデバイス同士で評価し合うイベント「NFCプラグフェスト(Plugfest)」(次回は来年1月末に開催予定)のデモンストレーション、NFC Forumの認定プログラム関係事業者の相関図、認定プログラムのドキュメント、現在までの認定プログラム策定状況の説明、検証ルールなどの細かな点についても言及した。
測定機器メーカー3社による製品紹介では、キーサイト・テクノロジー・電子計測本部 アプリケーションエンジニアリング部門の栗山 有美氏が「90109スペクトラムアナライザ」を紹介し、アルテック・情報マネジメント営業部専任部長・岡崎 勝氏はプロトコルアナライザー MP300 ACL1(スパイツール)およびテスターを解説した。また、ライトポイント・ジャパン・シニアアプリケーションエンジニアの原田 博史氏はNFCのテスト機器「iQ nfc/iQ nfc+」について紹介した。
[2015-12-18]