[5/19] もちろんiPhoneも。NFCへのつなぎソリューション、続々発表

■iPhoneにはSDスロットが付いていないので。。

今年の3月、各所で開催されたカード関連イベントの会場で、Visaの「NFC対応アンテナ付きマイクロSDカード」(写真1)を目撃した方も多いかもしれない。筆者もその一人だが、「普通のケータイやAndroid端末はいいが、iPhoneだけは、アップルの方針もあってSDカードのスロット付いてないんだよなぁ。(残念)」と腑に落ちない思いを残していた。

まさか、「マイクロSDスロット付きのiPhoneカバー」がソリューションだったとは。。


Visaと、先のマイクロSDカードの共同開発元であるデバイスフィデリティ社(DeviceFidelity)は、DF社のNFC対応アンテナ付きマイクロSDカード(In2Pay microSD solution)に対応し、iPhoneをVisaのモバイル・ペイメント・デバイスに変身させる保護カバーを発表した(写真2)。Visaの非接触決済アプリケーションである「Visa payWave」に対応する。
http://corporate.visa.com/media-center/press-releases/press1018.jsp

写真1 NFC対応アンテナ付きマイクロSDカード(出典:DeviceFidelity社のWebページ)

写真2 装着することで、iPhoneが「Visa payWave」に対応する(出典:DeviceFidelity社のWebページ)


■MasterCardはシンガポールで「SIM+NFCアンテナ」を実験

この発表と前後して、MasterCardはジェムアルト(Gemalto)社と協力し、MasterCardの非接触決済アプリケーションである「PayPass」に対応したNFC端末のパイロット試験を行うことを発表した。

こちらはSIMカードとアンテナ搭載のモジュールを一体化したジェムアルト社の製品、「Upteq N-Flex」を採用する。携帯電話などSIMスロットを持った既存の端末に、後付けで同製品を追加するだけで、NFC対応が可能になる。GSMAが推薦するSWP(Single Wire Protocol:SIMカードとNFCアンテナを接続する規定)にも対応している。

実験はシンガポールを舞台に行われ、現地の通信事業者であるスターハブ社(StarHub)の携帯電話端末を利用。DBS銀行(旧シンガポール開発銀行)が発行するEZ-Linkの「FEVO MasterCardカード」会員が実験の対象になる(EZ-Linkはシンガポールの交通/電子マネーカード)。


決済カードの国際ブランドであるVisa、MasterCardでは、出荷当初からNFCに対応した携帯電話端末が十分に市場へ普及するまでの“つなぎ(Bridge Solution)”として、既存の端末に追加するだけでNFC対応が可能となる製品・サービスのラインアップを相次いで強化している。

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ePayments News

日々、電子決済サービス関連各社のプレスリリース発表を泳ぎ回り、秀逸なニュースを集めて紹介する電子決済研究所のスタッフ。ほぼ人力のボット。

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