ついに始まった「青と黄色のVポイント」、Vの会員バーコードを示せるアプリは4種類まで増加

2003年のサービス開始から20年の歴史を経た「Tポイント」が、カード会社の三井住友カードが提供する「Vポイント」と統合し、この4月から「青と黄色のVポイント」として生まれ変わった。旧・Tポイントだけでも1.3億人(有効ID数)のユーザーを抱えるため、おそらく誰でも1枚は持っているのではないだろうか(写真1)。新しくなったVポイントの貯まり方や使い方をはじめ、そもそも今使っているスマホアプリやカードをどうすればよいのかまとめた。

写真1 ポイント統合自体は2023年6月13日に発表済み。約1年間の準備期間をかけて4月22日に統合した

新生Vポイントの運営会社はCCCMKホールディングスに

 CCCMKホールディングス(以下、「CCCMKHD」という)と三井住友カードは4月22日、同日から「青と黄色のVポイント」のサービス提供を開始したと発表した(写真2)。正式名称は「Vポイント」で、ポイントの運営会社はCCCMKホールディングスが担う。

写真2 応援団として「Vポイント」サービス開始記念イベントに登壇した小栗 旬さんと吉高 由里子さん。「当時はビデオレンタルとかすごいしてたので、20年くらい前から(Tポイントカードを)持ってました。2つのポイントが合算されるのが嬉しい」(小栗さん)、「アプリでポイントをにらめっこしながら、今まで行ったことのないお店でごはんとか買い物に使いたい」(吉高さん)

 CCCグループが展開してきた旧・Tポイントと、SMBCグループの旧・Vポイントの残高は、同日以降、利用者が対応アプリ内でID連携手続きを行うことで合算できる(写真3)。合算したポイントは1ポイント=1円で使用(支払いへの充当)が可能だ。なお、連携手続きを済ませない限り、勝手に両ポイントが合算されることはなく、これまで通りに両サービスが利用できる。

写真3 旧サービス同士のポイント残高はスマホアプリの手続きにより合算できる

<Vポイントを貯める方法>

 Vポイントを店先で貯める際に利用者がお店で会員証を提示する方法は大きく分けて2つある。1つは、発行済みのTカードや、Vポイントに対応するスマホアプリを使ってバーコードを提示する方法だ。これまでスマホアプリのほうは「Tポイントアプリ(モバイルTカード)」の1種類だけだったが、名称と機能をリニューアルした①「Vポイントアプリ(モバイルVカード)」(写真4)のほかに、②「VポイントPayアプリ」(旧・Vポイントアプリ)(写真5)、③Vpassアプリ(写真6)、④三井住友銀行アプリ(写真7)、の計4種類のスマホアプリのどれからでもバーコードの表示ができるようになった。

写真4 旧・Tポイントアプリから刷新された「Vポイントアプリ」

写真5 旧・Vポイントアプリから刷新された「VポイントPayアプリ」

写真6 モバイルVカードの表示に対応した「Vpassアプリ」(画面中段に表示ボタンが追加されている)

写真7 モバイルVカードの表示に対応した「三井住友銀行アプリ」(画面中段のボタンから進むと表示できる)

 バーコード提示でポイントが貯まるVポイント加盟店には、これまでの約15万店に加えて、4月22日からゼンショーグループをはじめとする5,000店舗が追加となった(写真8)。5月以降も紀伊国屋書店、家電量販のジョーシンなどが対応する予定で、今後も順次発表していくという。
 もう1つは、三井住友カードが発行するVポイント対象のカードで決済する方法。決済金額に応じてVポイントが貯まる。バーコードの提示と併せることで、ダブルでVポイントが貯まるようになる。三井住友カードが展開してきた旧・Vポイントでは元々、タッチ決済の利用や、Olive特典などの還元率が上がる施策も多いが、それらと組み合わせることも可能になっている(写真9)

写真8 全国に広がるVポイント加盟店でのカードやスマホ提示でポイントが貯まる

写真9 三井住友カードの決済利用と組み合わせることで、還元率アップが受けられる

<Vポイントを使う(支払いに充当する)方法>

 一方、Vポイントを店先で使用(支払いに充当)する際に利用者がお店で取るアクションも2つある。1つは、先述したバーコードを提示して、Vポイントを支払いに充当する方法。全国のVポイント加盟店で使用できる。
 加えて、Vポイントを支払いに充当するもう1つの方法として、旧・Vポイントアプリからリニューアルした「VポイントPayアプリ」を使う方法がある。VポイントPayアプリを設定すると、アプリ内にVisaブランドのバーチャルプリペイドカードが発行されるので、Vポイントをプリペイド残高へチャージすることにより、日本(約750万店舗)と世界(約1億店舗)のVisa加盟店(EC加盟店を含む)での決済に使用できる。
 対面店舗ではApple PayやGoogle Payに登録したタッチ決済やiDにより決済し、EC加盟店ではVポイントPayアプリ内に表示されるカード情報(カード番号や有効期限などの情報)を用いて決済を行う。

仕組みはわかった。でも、ちょっと面倒くさがりなワタシはどうしたら?

 スマホアプリの使い方はご理解いただけだろうか。そうなると、残るはプラスチックカードの「T(ポイント)カード」である。結論から言えば、新Vポイントのサービスが始まった4月22日以降、既存のTカードも「Vポイントが貯まるカード」として引き続き利用できる。プラスチックカード形状の「Tカード」について、今後、新規発行時にブランドをリニューアルした「Vカード」を発行していくかどうかは、提携先のあるTカードを含めて現状では未定とのこと。
「プラスチックのTカードにしてもなるべくVポイントを楽しんでいただきたいので、スマホへの登録を中心にしていきたい。そのため、(新)カードはモバイルに登録しやすい形を検討している」(CCCMKHD取締役の撫養 宏紀氏/写真10)という。

写真10 CCCMKホールディングス取締役の撫養 宏紀(むや・ひろき)氏

 そのため、これまでTカードを使っていて、4月22日以降、果たして自分はどうしたらいいのかワカラナイとお嘆きの読者が居たら、これまで通り、安心してTカードを提示し続けてほしい。店員さんからは慣れ親しんだ「Tポイント」ではなく、「Vポイントはお持ちですか?」と聞かれるかもしれないが、引き続き「Vポイントが貯まるカード」として堂々とTカードを差し出せばよい。
 加えて、もしも三井住友カードのユーザーであったり、三井住友銀行のOliveを使っているか興味のある人は、3種類あるSMBCグループのスマホアプリをどれか登録した上で、貯めたり使ったりするポイントをすべて合算してもらうと、より便利になるかもしれない。
 各種キャンペーンも実施中なので(写真11)、この機会に身の回りのTカードやVポイントを整理してみてはいかがだろうか。

写真11 6月30日までの期間中、毎日「Vポイントアプリ」からポイント特典付きのガチャが回せるほか、各種キャンペーンが展開中

写真12 サービス開始記念イベントと同じ会場で開催された「Vポイント」サービス説明会では、ポイントサービス専門家の菊池 崇仁さんと、「時短節約家」を掲げるインフルエンサーのくぅちゃんさんによるトークセッションも催された。「毎月20日にウエルシアで『ウエル活』するのが激アツ」と語ったくぅちゃんさんに対し、菊池さんは「これまでは1つの経済圏に絞ってポイントを集めるのがお得だったが、増え過ぎて絞り込めなくなってきた。複数のサービスを併用していけば、物価高も乗り切っていけると思う」と話していた

 

 

About Author

多田羅 政和 / Masakazu Tatara

電子決済マガジン編集長。新しい電子決済サービスが登場すると自分で試してみたくなるタイプ。日々の支払いではできるだけ現金を使わないように心掛けています。

Comments are closed.