2003年のサービス開始から20年の歴史を経た「Tポイント」が、カード会社の三井住友カードが提供する「Vポイント」と統合し、この4月から「青と黄色のVポイント」として生まれ変わった。旧・Tポイントだけでも1.3億人(有効ID数)のユーザーを抱えるため、おそらく誰でも1枚は持っているのではないだろうか(写真1)。新しくなったVポイントの貯まり方や使い方をはじめ、そもそも今使っているスマホアプリやカードをどうすればよいのかまとめた。
新生Vポイントの運営会社はCCCMKホールディングスに
CCCMKホールディングス(以下、「CCCMKHD」という)と三井住友カードは4月22日、同日から「青と黄色のVポイント」のサービス提供を開始したと発表した(写真2)。正式名称は「Vポイント」で、ポイントの運営会社はCCCMKホールディングスが担う。
CCCグループが展開してきた旧・Tポイントと、SMBCグループの旧・Vポイントの残高は、同日以降、利用者が対応アプリ内でID連携手続きを行うことで合算できる(写真3)。合算したポイントは1ポイント=1円で使用(支払いへの充当)が可能だ。なお、連携手続きを済ませない限り、勝手に両ポイントが合算されることはなく、これまで通りに両サービスが利用できる。
<Vポイントを貯める方法>
Vポイントを店先で貯める際に利用者がお店で会員証を提示する方法は大きく分けて2つある。1つは、発行済みのTカードや、Vポイントに対応するスマホアプリを使ってバーコードを提示する方法だ。これまでスマホアプリのほうは「Tポイントアプリ(モバイルTカード)」の1種類だけだったが、名称と機能をリニューアルした①「Vポイントアプリ(モバイルVカード)」(写真4)のほかに、②「VポイントPayアプリ」(旧・Vポイントアプリ)(写真5)、③Vpassアプリ(写真6)、④三井住友銀行アプリ(写真7)、の計4種類のスマホアプリのどれからでもバーコードの表示ができるようになった。
バーコード提示でポイントが貯まるVポイント加盟店には、これまでの約15万店に加えて、4月22日からゼンショーグループをはじめとする5,000店舗が追加となった(写真8)。5月以降も紀伊国屋書店、家電量販のジョーシンなどが対応する予定で、今後も順次発表していくという。
もう1つは、三井住友カードが発行するVポイント対象のカードで決済する方法。決済金額に応じてVポイントが貯まる。バーコードの提示と併せることで、ダブルでVポイントが貯まるようになる。三井住友カードが展開してきた旧・Vポイントでは元々、タッチ決済の利用や、Olive特典などの還元率が上がる施策も多いが、それらと組み合わせることも可能になっている(写真9)。
<Vポイントを使う(支払いに充当する)方法>
一方、Vポイントを店先で使用(支払いに充当)する際に利用者がお店で取るアクションも2つある。1つは、先述したバーコードを提示して、Vポイントを支払いに充当する方法。全国のVポイント加盟店で使用できる。
加えて、Vポイントを支払いに充当するもう1つの方法として、旧・Vポイントアプリからリニューアルした「VポイントPayアプリ」を使う方法がある。VポイントPayアプリを設定すると、アプリ内にVisaブランドのバーチャルプリペイドカードが発行されるので、Vポイントをプリペイド残高へチャージすることにより、日本(約750万店舗)と世界(約1億店舗)のVisa加盟店(EC加盟店を含む)での決済に使用できる。
対面店舗ではApple PayやGoogle Payに登録したタッチ決済やiDにより決済し、EC加盟店ではVポイントPayアプリ内に表示されるカード情報(カード番号や有効期限などの情報)を用いて決済を行う。
仕組みはわかった。でも、ちょっと面倒くさがりなワタシはどうしたら?
スマホアプリの使い方はご理解いただけだろうか。そうなると、残るはプラスチックカードの「T(ポイント)カード」である。結論から言えば、新Vポイントのサービスが始まった4月22日以降、既存のTカードも「Vポイントが貯まるカード」として引き続き利用できる。プラスチックカード形状の「Tカード」について、今後、新規発行時にブランドをリニューアルした「Vカード」を発行していくかどうかは、提携先のあるTカードを含めて現状では未定とのこと。
「プラスチックのTカードにしてもなるべくVポイントを楽しんでいただきたいので、スマホへの登録を中心にしていきたい。そのため、(新)カードはモバイルに登録しやすい形を検討している」(CCCMKHD取締役の撫養 宏紀氏/写真10)という。
そのため、これまでTカードを使っていて、4月22日以降、果たして自分はどうしたらいいのかワカラナイとお嘆きの読者が居たら、これまで通り、安心してTカードを提示し続けてほしい。店員さんからは慣れ親しんだ「Tポイント」ではなく、「Vポイントはお持ちですか?」と聞かれるかもしれないが、引き続き「Vポイントが貯まるカード」として堂々とTカードを差し出せばよい。
加えて、もしも三井住友カードのユーザーであったり、三井住友銀行のOliveを使っているか興味のある人は、3種類あるSMBCグループのスマホアプリをどれか登録した上で、貯めたり使ったりするポイントをすべて合算してもらうと、より便利になるかもしれない。
各種キャンペーンも実施中なので(写真11)、この機会に身の回りのTカードやVポイントを整理してみてはいかがだろうか。