[6/29] 国内初の「ポイントサービス指南書」が登場

ポイントサービスとは、単なるオマケである。
しかし、経済環境が厳しくなると、がぜん注目を集めるようになる。

ポイントをためる利用者の側からすれば、この世知辛い時代にあって、いかにお得に商品やサービスを買い求められるか。探究心はこれまで以上に高まる。

一方で、最初は単なるオマケだったつもりが、他店とのサービス競争にさらされる中で、いつの間にかポイントサービスが貴重な利益を脅かす存在になっていることに気が付き始めるお店。ましてや利益確保がいっそうの厳しさを増すこの不景気。かくしてサービスの中止が決まる。

かつて数年前にも、あのユニクロがポイントカードをやめたのをきっかけにして、ポイントサービス崩壊が叫ばれた時期があった。現在はまた「第二次ポイント崩壊ブーム」とも呼べそうなほど、企業のサービス撤退が相次いでいるのだそうだ。

では、提供する企業側が十分なポイント効果を実感しつつ、消費者からも喜ばれるサービスを設計・構築するにはどうしたらよいのか。

そんな疑問に答えるべく、ポイントサービス提供に関する「国内初の指南書」を目指して出版されたのが本書、「成功するポイントサービス」(WAVE出版)である。

著者の岡田祐子さんは、大日本印刷の社内ベンチャー制度を利用して2003年にエムズコミュニケイト社を立ち上げ、「ポイントサービスコンサルティング事業」に取り組んでいる。本書はそんな岡田さんが、企業がポイントサービスで成功するための秘訣や、タイプ別・消費者視点からのポイント評価などについて記した意欲的な一冊である。

そう言うと、書籍はさわりの紹介だけで、『続きはお仕事で』となりそうなものだが(笑)、そんなことはないのでご安心を。ご自身の経験に基づいて醸成された、ポイントで失敗しないためのコツやノウハウ、サービス設計の勘どころを惜しみなく紹介している。これだけでも本書は明らかにお買い得なのだが、意外に広く知られていないポイント成功事例の紹介や、今後日本でも適用予定のIFRS(国際財務報告基準)がポイント提供企業に与える会計上の影響など、旬な話題もしっかりと盛り込まれている。

企業のポイントサービス担当者だけでなく、ポイントと無縁ではない決済サービスの関係者にもぜひご一読をオススメしたい.

  • 単行本(ソフトカバー):205ページ
  • 出版社:WAVE出版(2010/6/16)
  • 言語:日本語
  • ISBN:978-4-87290-460-4
  • 発売日:2010/6/30

目次
第1章 「勝ち組」「負け組」の格差が広がるポイントサービス
第2章 あなたの会社のポイントサービスは、どうしてうまくいかないのか
第3章 成功事例に学ぶ正しいポイントサービス
第4章 国内初!日本人ポイントサービスタイプ分け
第5章 ポイントサービスのこれから

成功するポイントサービス
岡田祐子
WAVE出版
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About Author

多田羅 政和 / Masakazu Tatara

電子決済マガジン編集長。新しい電子決済サービスが登場すると自分で試してみたくなるタイプ。日々の支払いではできるだけ現金を使わないように心掛けています。

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