12月8日、東京都内でカード・ウェーブ社主催の「決済ビジネスカンファレンス2014 -リテール決済の未来と可能性を考える-」が開催された(主催:カード・ウェーブ、協賛TIS)。会場には300名を超える関係者が集まり、満員御礼となった。講演の模様を写真で紹介する。
■METI「世界最高水準のカード決済環境」の実現を目指す
セミナーの基調講演には、経済産業省 商務情報政策局 商務流通保安グループ・商取引監督課 課長補佐の北村 敦司氏(写真1)が登壇した。
2012年のクレジットカード決済の国内取扱高が53兆円に上り、民間最終消費支出約288兆円の約2割に達した。こうした状況を受け、経済産業省は2014年7月、「クレジットカード決済の健全な発展に向けた研究会・中間報告書」を発表。2020年の東京オリンピック開催に向けて、訪日外国人の増加を見据えた海外発行クレジットカードの利便性を向上していくことや、クレジットカード利用における消費者の安全性に寄与できる環境の整備を推進していくなど、利便性・安全性の両面から「世界最高水準のカード決済環境」の実現を目指している。本基調講演では、クレジット取引の現状に対する行政の課題と、日本再興戦略やクレジット取引のプロモーションに関する研究会の紹介、割賦販売法改正についての審議検討の状況について語った。
■EC決済・リテール決済の現状とこれからの姿は?
基調講演に続いては、ベリトランス代表取締役 執行役員 CEO・沖田 貴史氏(写真2)が「EC決済における安心・安全」について、またTISの金融第2事業本部 金融第2事業推進部 決済ビジネス企画室 室長・舘 康二氏(写真3)は、便利で安心なリテール決済サービスを提供する同社のサービス「PAYCIERGE(ペイシェルジュ)」について講演した。
■国際ブランドの役割は、規制される側からカードビジネス推進へ変貌
セミナープログラムの最後を飾ったのは、国際3ブランドのエグゼクティブによる、豪華なパネル討論。「国際ブランドが推進するカードビジネスの新たな潮流」をテーマに、ジェーシービー・インターナショナル代表取締役社長 三宮 維光氏とビザ・ワールドワイド・ジャパンの取締役 次席代表 松田 典久氏、マスターカード・ジャパンの代表取締役 マーケットディベロップメント 上席副社長 広瀬 薫氏が登壇し、モデレーターを務めたカード・ウェーブ 編集長 岩崎 純氏の進行により約1時間のディスカッションに臨んだ(写真4、写真5)。
これまで国際ブランドと日本政府との関係は、「(国際ブランドが)規制される側」の立場からの連携が中心だった。しかし、近年はこれが「カードビジネスの推進」へと移り変わりつつある。ブランドデビットやブランドプリペイドの国際状況について、そして今後のキャッシュレス社会の展望について、国際ブランド3社それぞれの視点から激論が交わされた。なお、本セミナーの詳細模様は、追って発売される雑誌「カード・ウェーブ」に掲載される予定とのことである。
[2014-12-11]