au WALLET ポイントが共通ポイントのPontaに来春統合へ、KDDIはローソンと提携で「ウォレット」の陣取り合戦に挑む

KDDIと三菱商事、ロイヤリティ マーケティング、ローソンの4社は12月16日の夕方に東京都内で記者会見を開き、来年(2020年)5月以降にKDDIの「au WALLET ポイント」をロイヤリティ マーケティングが展開する共通ポイントの「Ponta」に統合し、KDDIのスマホ決済である「au PAY」の利用でもPontaが貯まるようにすると発表した(写真1)。あわせてKDDIはロイヤリティ マーケティングとローソンの2社に出資。協業する4社は「リアルとネット通信のデータや金融サービスを融合した次世代型コンビニサービス」の展開を目指す。

写真1 写真左から、Pontaキャラクターのポンタくん、ロイヤリティ マーケティング 代表取締役社長 長谷川 剛 氏、ローソン 代表取締役社長 竹増 貞信 氏、KDDI 代表取締役社長 髙橋 誠 氏、三菱商事 コンシューマー産業グループ CEO 京谷 裕 氏

「『ウォレット』にいかにお金が貯まってくるかが重要だ」

 両社の発表によると、KDDIのau WALLET ポイントを保有する会員数は約2,800万、対してPontaの会員数は約9,200万で、両ポイントプラグラムの会員数を合わせると1億2,000万を超える巨大会員基盤が誕生する見込み(写真2、3)。IDを連携することで、au PAYを利用するとPontaが貯まるようになる。

写真2 KDDIとロイヤリティマーケティングの保有会員数

写真3 au PAYの利用でPontaが貯まるようになる

 KDDIでは現在、モバイルアプリの「au WALLET」を通じて決済やポイントなどの管理機能を提供しているが、付与先となる口座数は2,200万を超え、年間2,000億ポイントを付与しているという。KDDIの髙橋 誠社長(写真4)は「『Pay』も大事だが『スマホに紐付いた口座』がもっと大事。スマホと口座が1対1でつながっていく中で、その陣取り合戦になってくるのではないか。当社ではその機能を『ウォレット』と呼ぶが、その口座にいかにお金が貯まってくるかが重要になってくる」と話し、この提携が単なるポイント連携にとどまらず、スマホ決済の強化にもつながる意義を強調した。

写真4 KDDI・代表取締役社長の髙橋 誠 氏。「スーパーアプリという言葉がよく使われているが、それになりたい。au Walletアプリは月に1,000万人が使っているが、この中のポイントがPontaに変わることで、より貯まりやすくなり、Ponta加盟店で使えるようになる。これが(消費者から見た際の)わかりやすいメリットだ」

 KDDIは12月13日にロイヤリティ マーケティングと資本業務提携を締結済みで、三菱商事が保有するロイヤリティ マーケティングの発行済み株式の20%を取得する。異動後は、筆頭株主の三菱商事(22.37%)に次いで、ローソン(20%)と並ぶ主要株主になる。

ローソンアプリにau PAYの機能を搭載

 またKDDIは同日の会見で、ローソンとの資本業務提携契約を締結したことも発表した。今後、ローソンの発行済み株式の2.1%に当たる普通株式を市場買い付けにより取得する予定。同業のNTTドコモもローソンには約2%を出資しているが、「ドコモさんよりちょっとだけ上の数字(を目指す)」(KDDIの髙橋 誠社長)。
 ローソンとの提携では、両社の保有するデータや金融サービスを絡めた次世代型コンビニサービスの構築と展開を目指す。具体的には、IDの連携による個人に応じたデータマーケティング施策や、コンビニ来店者向けサブスクリプション型サービスの提供、モバイルオーダー、ロボティクス無人受け取り機などによる購買体験の実現、OMO(Online Merges with Offline)による集客強化、先端技術を用いた在庫管理など店舗運営の効率化、などを挙げる(写真5、6)

写真5 ローソンとKDDIの協業で次世代型コンビニサービスの実現を目指す

写真6 1億を超える会員基盤とそのデータを活用する

 また、決済サービス関連では、2020年5月以降にローソンアプリにau PAYの機能を搭載した上で、還元率の高い利用促進キャンペーンを実施する予定。
 ローソンの竹増 貞信社長(写真7)は「auがPontaグループに合流されることになり、国内でも最大級のポイント連合が誕生する。いろいろと深く協業が展開できていくんじゃないか」とポイント提携による相乗効果への期待を述べた上で、両社協業の特徴について説明した。

写真7 ローソン・代表取締役社長の竹増 貞信 氏。「ドコモさんとも資本提携しているが、今回はPontaにau Payが合流される点が1番の違いだ」

 ローソンでは、ローソン、成城石井、ナチュラルローソン、ローソン100といったリアル店舗でのデータに加えて、ローチケ(ローソンチケット)、ユナイテッドシネマ、HMV&BOOKSなどを通じて趣味性の高いデータを取得している。また、これらを下支えする形でローソン銀行により金融サービスを提供してきており、「リアルマーケットでの2次元データ」を保有している状況にある。
 これらに通信業を軸にネットやデジタルデータを保有するKDDIが合流することで、「データ活用が3次元的に絡み合う、令和型の次世代デジタルサービスを一緒になって追求していく。お客様目線で『いいね』と言われるものを提供していきたい」と竹増社長は力を込めた。
 なお、先述した資本関係もあり、ローソンではNTTドコモとも「d払い」や「dポイント」などの展開で連携した施策を打ち出している。この点について竹増社長は、今回のKDDIとの提携でこれら既存サービスが使えなくなる可能性を否定し、「(ローソンとしては)使いやすいものを提供し、お客様に選んでいただきたい。常にお客様ありきだ」との立場を説明していた。

写真8 ローソン、KDDI、Pontaが連動する

写真9 協業する4社の強みと役割分担

 

About Author

多田羅 政和 / Masakazu Tatara

電子決済マガジン編集長。新しい電子決済サービスが登場すると自分で試してみたくなるタイプ。日々の支払いではできるだけ現金を使わないように心掛けています。

Comments are closed.