●英 非接触IC上限を45£に
英国の金融業界団体であるUKファイナンス(UK Finance)は3月24日(英国時間)、非接触ICカード(contactless card)を用いて行われる決済取引時の上限金額を、英国全土対象に2020年4月1日より現行の30ポンド(4,200円、1ポンド=140円換算)から45ポンド(6,300円、同換算)に引き上げると発表した。
上限引き上げは小売業界と金融決済業界の間での協議を経て決定されたもので、ヨーロッパのいくつかの国でも、過去数週間のうちに同様の引き上げが行われている。この変更についてはすでに業界内で検討が進んでいたが、今日の新型コロナウイルス感染症(Covid-19)の爆発的拡大情勢を受け、非接触IC決済の利用を選ぶ消費者を支援するための措置として審議を早めた。
なお、45ポンド超の金額を決済したい消費者には、多くの選択肢が存在する。例えば、接触ICカードの「チップ&ピン(Chip & PIN)※」や、現金のほか、モバイル決済などがある。生体認証技術により認証されたモバイル決済の場合には、決済金額の上限設定がない。
UKファイナンスのCEOを務めるスティーブン・ジョーンズ(Stephen Jones)氏は、プレスリリースの中で「業界は、引き続き政府や規制当局と緊密に協議を行い、消費者が新型コロナウイルス感染症から受ける影響への支援と、消費者が望む方法で支払いが行える環境を確保していく」とのコメントを発表している。
英国では2019年に805億ポンド(11兆2,700億円、1ポンド=140円換算)の取引が非接触IC決済(contactless payments)で支払われた。対前年比で16%の増加に当たる。
※編注:接触ICカードを端末装置(リーダライタ)に挿し込んだ上で、暗証番号を入力する取引方式のこと
*本記事は、「編注」を除き、下記UK Finannceの報道発表文「Contactless limit in UK to be increased to £45」を翻訳したものです。
<参照URL>
https://www.ukfinance.org.uk/press/press-releases/contactless-limit-uk-be-increased-45