メルペイは8月30日、都内で記者会見を開催し、友だち招待で最大1億円相当のポイントが付与される「すすメルペイ」キャンペーンを開始したことを発表した。招待した側と招待された側の双方にそれぞれ1,000ポイントが付与される大型キャンペーンで、人気YouTuberを起用したテレビCMや動画などを通じて広くプロモーションする。1億円の原資を投じてメルペイが取り込みを狙うユーザー層とは?
1億円を原資とする口コミ型キャンペーン、テレビCMも
本日8月30日(12時開始)から9月16日(23時59分まで)の2週間強に渡って実施するのは、「勧める」と「メルペイ」の意味を掛けた「すすメルペイ」のキャンペーン(写真1)。メルペイに会員登録して本人確認を完了しているユーザーが、メルペイアプリから入手できる「招待コード」を知人などに送付し、受け取った知人がメルペイの会員登録と本人確認を完了すると、招待した本人と招待された知人の双方にそれぞれ1,000円相当のメルペイポイントが付与される(写真2)。何人でも招待ができ、「招待人数×1,000ポイント」を入手できる。ただし、ポイントの付与上限が1億ポイントのため、最大で10万人までが対象となる。ポイントの有効期間は付与された日を含めて40日間。
キャンペーン展開に当たりメルペイは、新CMキャラクターとして人気YouTuberの「はじめしゃちょー」と「HIKAKIN(ヒカキン)」を起用(写真3)。全国放映されるテレビCM(下の動画)をはじめ、YouTubeやSNSなどを通じてプロモーションする。
また、特別招待コードとして「HAJIKIN」を各メディアを通じて広く告知し、このコードを使ってメルペイに本人確認した人数×1,000ポイント相当の企画費用で、両YouTuberとファンによる特別イベントを開催する(写真4)。
口コミ重視と人気YouTuberにあやかり、若年層ユーザーを取り込む
メルペイは同キャンペーンの狙いとして、若年層のメルペイ利用を促進したい意向。実際、メルペイユーザーの母集団とも言えるフリマアプリ、メルカリ利用者の属性を見ると10代〜30代で7割を占めている(写真5)。その一方で、同社の分析によると「若年層ほどキャッシュレス利用率は低い」傾向にあり(写真6)、それはメルペイの利用にも当てはまっているという。
若年層にメルペイを使ってもらうための鍵として、メルペイ・マーケティング責任者の山代 真啓氏(写真7)は2点を挙げる。「若年層の特徴の1つは『口コミ』を重視することで、もう1つは『ネットインフルエンサー』の影響力が大きいということ。(マーケティングにHIKAKIN、はじめしゃちょーを起用することで)これらの力を借りて若い世代にキャッシュレスを使ってもらいたい」と意気込みを話した。
若年層ほどキャッシュレスを使わない傾向について山代氏は、「金融リテラシーの高さに比例していると思う。実際、スマホ決済のメルペイでも(金融リテラシーの高い)30代〜40代が最初のユーザー層だった」と振り返る。これを消費税の増税前に、キャンペーンなどを通じて若い世代に裾野を広げていきたい考えだ。
また、山代氏はメルペイならではの特長として、メルカリで得られた売上金がそのままメルペイで利用できる点を挙げた。それでも、メルカリユーザーであってもメルペイの利用ハードルはあるようで、「最初に1回、使ってもらえればお得さや便利さに気付いていただけるはず」とキャンペーンへの期待を込めた。
なおメルペイでは、前払式支払手段である「メルペイ残高」に加えて、利用した金額分を翌月にまとめて支払う「あと払い」を提供していることも特長になっている(写真8)。これについて山代氏は、「『後払い』というよりも、事前に残高を気にしたり、チャージなどの手間なく支払えることに評価を頂けているユーザーの声もある」として、「あと払い」ユーザーの定着率が高いことを紹介。「『すすメルペイ』でメルペイを知ってもらった後には、『あと払い』も使ってもらえるように検討していきたい」と話した。