Mastercardは11月1日、東京・渋谷区の日本オフィスで「Mastercardイノベーションフォーラム」を報道陣向けに開催した。2010年に同社が立ち上げたマスターカード・ラボの取り組みを中心に、デジタル決済に関連した各種のデモンストレーションが披露された。Mastercardとしては久しぶりの会見に、多くの報道陣が集まった。
日本の意見を集約し、世界各地のテックハブにフィードバック
「Mastercardは元々ペイメントカードの会社だったが、今やペイメントに限らず、イノベーション(技術革新)を起こす『テクノロジーカンパニー』として動いている」(Mastercard・デジタルペイメント&ラボ担当副社長のデビッド・ケル 氏/写真1)
Mastercardのイノベーションは、会社本体ではなく、2010年に設立された独立組織、「Mastercard Labs(マスターカード・ラボ)」が中心となって取り組んでいる。世界中に点在する数百名のスタッフが、スタートアップ企業への支援や連携なども交えながら、「オーソリや生体認証など、ペイメントのコアビジネスとは違うことをやろうとしている」(ケル氏)という。
マスターカード・ラボの本拠地はアイルランドの首都・ダブリンに置いている。また、具体的な技術開発は、ダブリン、シンガポール、シリコンバレー、ニューヨークなどに設置されている「TECH HUB(テックハブ)」で行われる。そのため日本のマスターカード・ラボ拠点の位置付けは「さまざまな技術デモをご覧いただき、それらに対して日本から忌憚なきご意見を頂くことを目的としている。意見交換の結果をフィードバックし、世界のテックハブで開発する」(Mastercard・イノベーションマネジメントマネージャーの福盛 雄也 氏/写真2)ことだ。
ところで、Mastercardが日本で記者説明会を開催するのは久しぶりのこと。説明会に出席したMastercardの赤沼 友子・マーケティングマネージャーは「今後はこれまで以上に、Mastercardから情報発信をしていきたい」と話してくれた。
世界がキャッシュレスに向かうムーブメントを日々、肌で感じることができるMastercardだけに、今後の積極的な情報開示にも期待したい。
「Mastercardイノベーションフォーラム」デモ(一部)