日本国内で初めて、Visaブランドでは最上位ランクに当たる「Visa Infinite(ビザ・インフィニット)」の一般募集がスタートする。発行するのは三井住友カードで、日本国内のキャッシュレス比率の高まりに伴い、同カードがターゲットとする「年間700万円以上のカード利用」層の獲得が十分に狙える規模に育ったと判断した。2026年春には三井住友銀行と一体化した「Olive」ブランドでも「インフィニット」を投入する。
年間700万円以上利用で最大11万円相当のVポイントを還元
三井住友カードは9月29日、Visaの最上位ランクに当たるクレジットカードである「三井住友カード Visa Infinite(ビザ・インフィニット)」の募集を翌日の9月30日朝9時頃から開始すると発表した(写真1)。一般申し込みが可能なカードとしてビザ・インフィニットを取り扱うのは日本国内のクレジットカード会社では初めて。

写真1① 「三井住友カード Visa Infinite」のICチップあり面

写真1② 「三井住友カード Visa Infinite」のICチップなし面
ショッピングの利用枠は300万円〜9,999万円までの間で、利用状況や支払い実績などに応じて個別に設定される。年会費は9万9,000円(税込み)と群を抜いて高額だが、カード保有者はそれに見合うだけの「経済価値」と「体験価値」の両方を享受できるという。
「経済価値」(画面1)の内容では、カード利用で貯まるVポイントの基本還元率は1%で、SBI証券のクレカ積立では最大4.0%の還元。コンビニや飲食店の利用では7%から最大20%の還元が受けられる。入会から3カ月後までに100万円以上のカード利用があれば10万円相当のVポイントが貰えるほか、2年目以降は前年に700万円以上のカード利用で最大11万円相当のVポイントが付与される。

画面1 「三井住友カード Visa Infinite」の「経済価値」に関する特徴
カードの券面デザインはアート感を高め、「グレイッシュブラウン」カラーを採用(写真2)。表裏を意識させない「両A面」のデザインに、カード番号などを印字しないナンバーレスカードとした。素材はプラスチックカードだが、来年度からは希望者に対し、2枚目のカードとして金属製のメタルカードも発行する予定。メタルカードの発行手数料は別に3万3,000円(税込み)がかかる。

写真2 カードを届ける包装パッケージ自体にも趣向を凝らし、カードデザインを模した梱包を開封すると「三井住友カード Visa Infinite」のカードが現れる。手前に見える厚手の小冊子も同梱される
「同じ世帯年収であっても、国内キャッシュレス比率の拡大によって、カード年間利用額が増えてきている。年間700万円以上のカード利用を望める方がメインのターゲットになってくるが、そこに含まれる顧客層がある一定数に至ったと分析しているため、招待制ではなく一般申込が可能な発行形態とした」(三井住友カード・マーケティング本部 本部長の伊藤 亮佑氏/写真3)

写真3 三井住友カード マーケティング本部 本部長の伊藤 亮佑氏
来春にはOlive版のインフィニットも
一方の「体験価値」では、Visaのスポンサーシップを活用したスポーツ共同プログラムを提供する。第1弾は2026年2月に開催される「ミラノ・コルティナ2026冬季オリンピック」の特別プログラムで、応募抽選により現地での特別な観戦チケットを用意するほか、日本国内でも開会式前日に開催予定のオープニングナイトパーティーへの招待、スキージャンプ日本代表小林陵侑選手・髙梨沙羅選手の壮行会へのご招待などを予定している(参加加予定選手は今後変更となる可能性あり)。
また、「五感を刺激する体験」として、料理人の脇屋 友詞氏とパティシエの鎧塚 俊彦氏によるコラボイベントをはじめ、小野 伸二氏と中澤 佑二氏によるサッカートークショー、「歌舞伎町大歌舞伎」の特別鑑賞会などのイベントを毎月企画し、応募抽選により招待する(画面2)。
「ここでしか得られない体験を提供していく予定だが、毎月毎月こういったイベントを組み立てて提供していくプログラムは、他にはないのではないか」(前出の伊藤氏)

画面2 「三井住友カード Visa Infinite」の「体験価値」に関する特徴(五感を刺激する体験)
このほかにもプレミアムサービスとして、電話やメール、LINE、専用Webサイトを通じた24時間365日対応のコンシェルジュサービス(提供:テン・グループ・ジャパン)や、プライオリティ・パス(プレステージ会員プラン)などのプレミアムサービスが付帯する。
なお、来春、2026年春にはビザ・インフィニットの追加ラインアップとして、三井住友銀行のキャッシュカードと一体型カードで提供する「Olive版」の提供も開始される予定だ(画面3)。こちらでは上記した単体クレジットカードであるビザ・インフィニットの優待や特典内容に加えて、「フレキシブルコンサルティング」と銘打つ、銀行や証券でも優遇されたサービスが提供されるという。
こちらのリリースは少し先になるが、「いま申し込むか、3月まで待つか」、どちらのカードを申し込むか悩ましい方もいるかもしれない。そうした境遇の方に向けて、三井住友カードでは同じ9月30日から「リリース事前キャンペーン」を開始する。こちらで「Olive Infinite」に先行エントリーすると、3万3,000円相当のVポイントが貰えるとのことなので、興味のある方はキャンペーンページをよく確認されたい。

画面3 「Olive Infinite」は2026年春から提供開始予定