Squareは3月21日、東京都内で新製品発表会を開催し、同日から日本で販売を開始した「Squareレジスター」を披露した。2013年の日本進出から10年が経過し、提供する決済端末の機能やラインアップは大幅に充実。無償提供ながら売上管理からデータ分析、オンライン決済までまかなえるSquareのPOSレジソフトウェアが新たに搭載される先は、特徴的な2つのディスプレイを装備した「レジスター」。もはやオフィスにも1台置いておきたくなるほどのオシャレさも健在だ。
2画面構成が「取引の信頼性を高め、会計スピードも早められる」
Squareは3月21日、新製品「Squareレジスター」の販売を日本で開始した(写真1)。同社のオンラインストアなどを通じて購入できる。従来、同社が提供してきたSquareリーダーやSquareスタンドのように、導入店舗が別途、汎用のスマートフォンやタブレット端末を用意する必要がなく、この1台だけでPOSレジと決済の機能が利用できる。接触ICや磁気ストライプの読み取りによるカード決済のほか、国際ブランドのタッチ決済やFeliCa系の電子マネー、コード決済のPayPay(画面表示QRを通じた動的MPM方式)に対応する。
販売価格は税込み8万4,980円だが、来月4月17日までの期間限定で30%引きの5万9,480円で購入できる。分割払いも利用可能。端末には2年間の保証が付く。
Squareレジスターを一見して、最も特徴的なのは、店員側とお客側のそれぞれに向いて用意された2画面のディスプレイ。店員がタッチディスプレイに購入商品を登録している間も、お客側の画面に登録商品と金額の情報がリアルタイムに表示されるため、誤った登録になっていないかどうかをお客が目で確認できる(写真2)。
「2つのプレミアムディスプレイにより、すべての取引の信頼性を高め、会計スピードも早められる」(Square・ハードウェア責任者のマイケル・マクレナン氏/写真3)
商品登録が終わり決済方法を選ぶ画面でも、店員側、お客側の双方のディスプレイに選択ボタンが表示され、どちらからも操作が可能なので、お客の状況にあわせて使い分けられる(写真4、5)。「例えばコーヒーショップであれば、お客が決済方法を選んでカードやスマホを出して支払いを行っている時間を、飲み物や食事の提供準備に充てていただけるということで評価を頂けている」(Square・ハードウェア プロダクトマーケティングマネージャーの横山 潤氏/写真6)
お客側端末は、本体から取り外し、有線ケーブルで伸ばして設置する(この場合、端末の向きがひっくり返る向きになる)こともできるので(写真7〜9)、お店のカウンターの広さに応じて一体型として利用したり、お客の手元に近付けて運用することもできる。
『開封の儀』が嬉しくなる、完全紙素材による梱包と「ブラック」の艶
ところで、「iPadの操作性を気に入っている人たちにお選びいただいているが、他の国以上に日本では人気がある」(Square・広報担当の佐藤 仁美氏)という「Squareスタンド」は2万9,980円で提供されており、今後も併売される。使用にあたってはiPadが必須であることを考えると、オールインワンで2画面付きの「Squareレジスター」の販売価格、8万4,980円は十分に攻めた金額と言えるだろう。
一方で、SquareレジスターはOSにAndroidを採用しているが、Squareのサービス利用に特化して設計されており、SquareのPOSレジアプリや、同社と連携する他社製ビジネスアプリなどにアプリ利用が限られる。Androidアプリを自由に追加して利用するようなことはできない。
もっとも、内蔵のPOSレジアプリが多機能なため、商品の在庫管理やリアルタイムでの売上分析機能など、お店のレポーティングの機能を含めて充実しているし(写真11)、従業員の管理など、店舗運営を効率的に管理できる機能も使うことができるので、お店の営業・販売を強化するための設備として導入を検討するのがよいだろう。
なお、Squareのブランドカラーはこれまで「白」を基調としているが、Squareレジスターでは「黒」を採用し、画面カラーはもちろん、アクセプタンスステッカー、梱包用の箱に至るまで、徹底的に統一を図ったという(写真12、写真13)。導入店舗の規模によっては、カスタマイズによってお店独自のロゴやデザインを反映することにも対応していくという。