Visaデビット、タッチ決済の発行枚数がダブルで1,000万枚を突破、キャッシュレスから生まれた新ギャグとは?

ビザ・ワールドワイド・ジャパン(以下、Visa)は9月12日、東京都内でイベントを開催し、Visaデビットカードの発行枚数、ならびにVisaのタッチ決済対応カード(デビット+クレジット+プリペイド)の発行枚数が今年6月末の時点でそれぞれ1,000万枚を突破したことを発表した。どちらもこの数年で急速な成長を見せる「Visaデビット」と「Visaのタッチ決済」。発行会社、決済サービス会社からの発表を交えてレポートする。

「日本のキャッシュレスを牽引するのは、VisaデビットとVisaのタッチ決済だ」

 Visaが開催したのは「Visaデビット・Visaのタッチ決済1,000万枚達成記念イベント」。就任後、発表会の場では初めての登壇となるVisa・代表取締役社長のスティーブン・カーピン氏(写真1)は「日本のキャッシュレス化が進まない理由にはさまざまあるが、主な要因は多様な決済方法が乱立していることだ。私たちはその解決策を提供できる」と話し、VisaデビットとVisaのタッチ決済の位置付けを提示した(写真2)
 Visaによると日本におけるVisaデビットの発行枚数は過去10年に渡り、約31%の平均成長率で推移しており、直近の2年間は約2倍に伸びたという(写真3)

写真1 ビザ・ワールドワイド・ジャパン 代表取締役社長のスティーブン・カーピン氏

写真2 「デビット」「タッチ決済」がVisaにおけるキャッシュレス推進の牽引役に位置付けられた

写真3 Visaデビットカードの発行枚数は2017年頃から勢いが加速している

 他方、Visaのタッチ決済は発行枚数が直近の6カ月で2倍に増加しており、対応する決済端末の台数も直近6カ月で4倍へと急増。マクドナルド、ローソン、TSUTAYAなどに加えて、ゼンショー、Japan Taxi、イオングループなどでの導入が始まっている(今後の対応予定を含む)。
 タッチ決済の特徴に関してカーピン氏は、「世界では対面取引の50%をタッチ決済が占める国もあり、世界中の人たちがすでにタッチ決済に慣れている。(これらの人たちが日本を訪れたら)日本でも当然、同じことを期待するはず」として、訪日外国人にとってストレスのない支払いであることをアピールした。

「霊長類最強女子」はキャッシュレス派!

 イベントの後半には「霊長類最強女子」とのあだ名を持つ、元女子レスリング選手の吉田沙保里さんと、お笑いタレントのダンディ坂野さんが登場して、記念すべき1,000万枚達成に華を添えた(写真4)

写真4 「ブルーのジャケット来てきたほうが良かったですか?」とダンディさん

 Visaのコーポレートカラーを意識したという鮮やかなブルーのワンピースをまとって登場した吉田さんは、日常の買い物ではキャッシュレスが多いという。「現金はあまり持ち歩かなくなった」と話し、買い物や、よく利用するというタクシーなどでキャッシュレスを実践していることを明かした。
 これに対して現金派を自認するダンディさんは、「こう見えて古風なので、ギャグも古風ですが、現金が多い」とのこと。ただ、「最近は皆さん使っていると聞くので、この波に乗らないといけないと思ってるんです」と抱負を述べていた(写真5)
 その後、ダンディさんは即興で、持ちネタである「ゲッツ!」にちなみ、「キャッシュぅレッス!」という発声ギャグを披露。これが意外にも司会者にウケたことから、吉田沙保里さんと一緒に、壇上で何度も掛け声と独特のポーズを揃えていた(写真6)

写真5 「お会計対決」では、レジで現金を数えるダンディさんをタッチ決済の吉田さんがあっさり抜き去るという展開

写真6 飛び出した新ギャグ、「キャッシュぅレッス!」。(カメラ目線ありがとうございます)

 なお、イベントの中ではVisaカードの発行会社と決済サービス会社から4社の担当者がそれぞれ登壇し、Visaデビットとタッチ決済に関して、各社における取り組み状況を説明した(写真7〜18)

写真7 イオンフィナンシャルサービス 取締役会長の鈴木 正規(すずき・まさき)氏

写真8 イオングループのレジ台数はドラッグストアやコンビニなどを含め、総計で約10万台。この全台を2020年3月までにタッチ決済に対応させる

写真9 イオンカードは、提携カードを含めて順次タッチ決済を搭載中

写真10 三井住友カード  常務執行役員 マーケティング本部長の神野 雅夫(かみの・まさお)氏

写真11 今年3月からはクレジットカードへのタッチ決済標準搭載も開始している

写真12 東京オリンピックも視野に、2020年7月をマイルストンに据えている

写真13 Square ブランド・プロダクトストラテジー リードの金 海寛(きん・へがん)氏

写真14 スクエアが提供する「Square Reader」はVisaのタッチ決済にも対応する

写真15 三菱UFJ銀行 執行役員 決済ビジネス本部長の真鍋 宜剛(まなべ・よしたけ)氏

写真16 2013年からVisaデビットを発行してきた三菱UFJ銀行では、ウェアラブルなど非カード形状への展開にも力を入れる。腕時計型のガーミンペイのほか、近々にリリースする『MUFG Wallet』でもタッチ決済が利用可能になる

写真17 Visaカードの発行会社と決済サービス会社の関係者を交えた記念撮影

写真18 Visaデビット、Visaのタッチ決済対応カードの券面イメージ

 

 

 

About Author

多田羅 政和 / Masakazu Tatara

電子決済マガジン編集長。新しい電子決済サービスが登場すると自分で試してみたくなるタイプ。日々の支払いではできるだけ現金を使わないように心掛けています。

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