【レポート】2020年の本人認証はこんなに簡単! NTTが技術開発の研究成果を公開(動画あり)

 

 

NTT(日本電信電話)は2月16日・17日の2日間、NTT武蔵野研究開発センタ(東京・武蔵野市)にて「NTT R&Dフォーラム2017」を開催し、技術開発などの研究成果を公開した。電子決済研究所的に気になった研究発表を紹介する。

Entrance

 

■ドコモ、NTTデータからも出展
開催コンセプトは「Open the Way 〜2020とその先の未来へ〜」。NTTに加え、昨年からはNTTドコモ、NTTデータ、NTT Innovation Institute, Inc.も出展している。今年の展示テーマは以下の5つとした。

・みえてきた2020とその先の社会
・新しい価値創造を加速するcorevo(コレボ NTTグループのAI関連技術
・次代のビジネスを支えるIoT&セキュリティ
・2020とその先の未来を支えるネットワーク
・未来を切り拓く基礎研究

Booth

▲会場内の風景

●ウォッチとスマホの加速度シンクロでログイン
スマートウォッチを装着した腕でスマートフォンを持ち上げるだけでユーザーログインが完了する「コンティニュアス認証技術」。利用者の行動により生じる加速度センサーなどの情報から「信頼スコア」を算出し、サービス提供の制御を行う。利用者と違う他人がスマホを手に取ってもなりすましができない。

●モバイル端末内の証明書で、本人確認を簡単に
通信事業者が保有する信頼度の高い本人確認情報を元に、スマートフォンやスマートウォッチなどのモバイルデバイス内に電子証明書を発行。それを用いてサービス事業者ごとの登録を一括で済ませたり、実世界における「認め印」のような、簡易な本人証明に利用できる認証技術を開発した。オンライン認証の標準規格を目指す「FIDO」にも準拠する。
デモでは、マイナンバーカードをスマホにかざして厳格な本人確認を実施。この結果を受けた通信事業者が利用者の所有する端末ごとに本人証明書を発行し、これをネット手続きなどに利用するイメージを紹介した。

●引っ張り感覚で誘導してくれる触覚ガジェット
手に持っていると、ぶるぶる小刻みに震える振動によってさまざまな方向に引っ張られる感覚を味わえるモバイルガジェットは、その名も「ぶるなび」。キューブ型の専用機は6軸(左右前後上下)の引っ張り方向に対応しており、VR(仮想現実)を使ったゲームやナビゲーションと併用すると画面中のキャラクターの動きにあわせて、進んだり、隠れたり、上ったり、潜ったり、といった感覚が体感できる。

スマホケース型も開発されており、こちらは4軸(左右前後)の引っ張り方向に対応。説明員によると、キューブ型に対する簡易版の位置付けではなく、スマートフォンを用いた歩行者ナビゲーションに必要なのが4軸(上下は不要)、というのが理由とのこと。
スマホケース型を両手で握りながら歩いていると、外部からの誘導や地図アプリの操作により、目的地へのナビゲーションをスマホが「引っ張って」教えてくれる感覚で誘導される。進行方向とは逆に下がる方向への誘導や、回転して向きを変えるような誘導も可能だ。ナビゲーションには「地磁気」を利用しており、技術的には振動しているだけだが、人間の錯覚を利用して引っ張られる感覚を実現しているのだという。
なお、ぶるなびは現在、NTTデータおよびNTTデータイタリアと共同で屋内ナビゲーションに関する共同実験を実施中。

ぶるなび02

ぶるなび01

▲スマホケース型の「ぶるなび4」

●ドローンと宅配ボックスがオフラインで相互認証
IoT機器同士の間でのセキュリティ確保は喫緊の課題だが、人間が介在することなく、許可された機器同士が自立的に作業する仕組みを開発。さらに「相手は誰か」だけでなく、「相手に対して何をして良いのか(権限)」までを把握できる仕組みを電子証明書の採用により実現する。IoT機器間の検証時にはサーバとの通信が不要(機器同士はWiFiやBluetoothで通信)で、オフライン環境での利用が可能。
デモは、ネット通販業者のドローンが、注文者である正しい家庭の宅配ボックスに向けて荷物を運ぶ場面を実演した。認証過程そのものは目に見えないため、宅配ボックスに向かって意外にドサッと落ちる下降するドローンに釘付けになる人も。

ドローン

ドローン02

▲ドローンが宅配ボックスを認証して荷物を運ぶデモ

ドローン03

▲従来の電子証明書との違い

●公式アプリをかざして詳細情報を取得
来場者にもれなく配られるQRコード入りカードによりインストールが促される「NTT R&Dフォーラム2017」の公式アプリでは、講演スケジュールや展示会場の案内、会場内WiFiの利用などに対応。さらに「かざして案内」機能は展示説明パネルにカメラを向けて撮影すると詳細説明サイトにジャンプできる。複数の認識技術を併用しており、撮影するパネルは一部分だけでもOKと、QRコードよりも簡易な操作性を売りに博物館や美術館への導入を目指すという。

2日間のイベントのために公式アプリを開発してしまうところは、さすがNTT!

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▲スマホアプリで展示パネルを撮影すると・・・

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▲情報を解析し詳細情報のURLにジャンプする

 

●そのほかのちょっと気になる展示たち

▲対象物にかざすと詳細な説明を表示するデバイス。「おもてなし」を意識し、観光案内などへの応用を想定する。ほぼ透明のディスプレイはジャパンディスプレイが開発。

▲対象物にかざすと詳細な説明を表示するデバイス。「おもてなし」を意識し、観光案内などへの応用を想定する。ほぼ透明のディスプレイはジャパンディスプレイが開発。

▲スマートウォッチやフィットネスバンドを装着し、普通に食事をするだけで、食べる動作から加速度センサやジャイロセンサの変化を読み取り、食事内容を自動認識する

▲スマートウォッチやフィットネスバンドを装着し、普通に食事をするだけで、食べる動作から加速度センサやジャイロセンサの変化を読み取り、食事内容を自動認識する

 ▲視野角180度以上のサラウンド映像。映像を合成しながら低遅延同期伝送を実現し、臨場感に圧倒される


▲視野角180度以上のサラウンド映像。映像を合成しながら低遅延同期伝送を実現し、臨場感に圧倒される

 

[2017-02-20]

 

 

About Author

Masakazu Tatara

電子決済マガジン編集長。新しい電子決済サービスが登場すると自分で試してみたくなるタイプ。日々の支払いではできるだけ現金を使わないように心掛けています。

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